
「さっきの電話、もう少しお客さんを上手にとりこめなかっただろうか?」
電話をきった時に、こんな敗北感にも似た感覚になることってありませんか?
ソーシャルメディアとスマホの普及で、電話による問い合わせは少なくなったと思います。
お客さんとのコミュニケーションの主役は、電話からメールに変わりました。
5年前と比較して電話する回数はおおきく減ったとおもいます。
だからこそ、お客さんからの1本の電話はとても大きな意味があります。
メールの問い合わせではニュアンスが伝えられない、もっと細かいところまで知りたい、今すぐそれを知りたい、というお客さんが意を決して電話をかけてきてくれているのです。
あなたにとっては、まさに将来お客さんになる見込みのメチャメチャ高い人のはずです。
ところが、電話が終わってみれば、なんとなく後味の悪いことがよくあります。
おうむ返しのように、ただお客さんの質問に応えただけで終わってしまった…
こちらの言いたいことが伝えきれなかった…
結局、何事もなかったかのように、時間だけが過ぎてゆく…
こんなことになってしまう原因は、あなたが電話の会話の目的を決めていないからです。
お客さんの問い合わせに答えていれば、何かいいことおきるんじゃないか?
こんな漠然とした期待感があるだけで、運が良ければお客さんからオーダーをもらえるかもしれないとただ都合よく思っているだけです。
このような姿勢では会話そのものもお客さん主導になってしまいがちです。
残念ながら、これではなかなか売り上げの数字を伸ばすことはできないでしょう。
やはり押さえておくべき、電話営業のコツがあります。
さきほど言ったように、会話の目標地点をはっきりと決めておくことが重要です。
そして、それには5つの目標地点があります。
1. 共感を築く
電話営業のコツの1つめは共感を築くということです。
営業スキルをあげるための本やセミナーなどでも必ず出てきますよね。
共感を得なさい!と。
よくラポールとかアイスブレイクなんて言い方もします。
お客さんと面と向かってはなすときは、表情やしぐさ、服装や持ち物などから相手の好みや人柄の情報をえることができます。
でも、電話ではお互いに相手の情報は「声」という音と、「話す内容/会話」の2つしかありません。
対面営業の場合、共感をきずくのは会話の初めのほうだったりしますが、電話の場合は話の初めとはかぎりません。
共感を得ようとして、くだらない世間話など最初からされてもお客さんは迷惑なだけです。
お客さんは何かを早く知りたくて電話をかけてきているわけですから。
なので会話の流れの中で、なにかあなたと話題が合いそうな言葉がお客さんの口からポロっとでてくるまで待ちましょう。
住んでいた町のこととか、趣味、仕事、子供、ペットなど、あなたと話題が合いそうなポイントがあれば、その話題が共感を得るきっかけになるはずです。
2. あなたの商品・サービスのプロとしてのアドバイスに集中する
あなたは何かの専門家のはずです。
お客さんはその専門家のアドバイスが、お客さんの悩みや知りたいことを解決してくれるだろうと期待して電話をかけてくれています。
なので、ここはあなたが伝家の宝刀を抜いてください。
プロとして堂々としたアドバイスをすることです。
大切なことは、「言い切る」ことです。
「アッチとコッチだったらどっちがいい?」という問いに対して、堂々としたコトバでズバリ「コッチです!」と言いきることがあなたへの信頼性やプロとしての権威性を高めてくれます。
さきほど言ったように、電話営業ではお客さんに伝わるのは声だけです。
なので、丁寧かつはっきりとした口調で自信ありげにアドバイスしてください。
決して「〜かも」とか「たぶん〜」などのあいまいで、責任をかわすような表現をつかわないことです。
そのような言葉尻は、いつまでたってもお客さんの迷いを晴らしてあげることはできません。
3. お客さんの本音を出させる
お客さんの質問は、初めはあなたの商品やサービスの表面的なことを聞いてきます。
「○○には効果があるのか?」とか「△△はどんなものなのか?」など、ちょっと漠然とした質問です。
こんな時は、あなたがプロとしてアドバイスをした後にズバリ聞いてください。
「今、具体的に何に悩んでいるのか?」、「どんな理想の状態になりたいのか?」
そうすると、お客さんの本音が見えてくるような言葉がでてきます。
「実は今、○○を使っているんだけど…」、「こんな感じに本当はしたいんだけど…」
このあたりの言葉がお客さんから出てきてくれれば、あなたの専門家としてのアドバイスがさらにお客さんんの胸に刺さっていきます。
電話営業のコツは、お互いに相手が見えないというところを逆手に使うことです。
堂々とした声とプロっぽい情報提供ができさえすれば、お客さんは勝手にあなたへの想像をいい方向でふくらませていきます。
対面営業では、なかなか引き出し辛い本音をスッと話し出してくれたりします。
4. お客さんの連絡先をもらう
電話営業のコツで、最も重要な目標地点は「お客さんの連絡先をもらう」ということです。
どれだけお客さんとの話で盛り上がっても、どれだけお客さんがあなたの商品・サービスに興味を持ってくれたとしても、電話をきってしまえばそれで終わりです。
あとでひたすら「あのお客さんからオーダーが入らないかな?」とか「また電話してくれないかな?」なんて思っても、まさに後の祭りです。
セールスにしてもマーケティングにしても、一番大事なことはお客さんと連絡が取れる状態をいつも作っておくことです。
今すぐ買ってくれなかったとしても、お客さんと連絡さえとれれば、こちらから色んな情報の提供や、セールスが継続的にできるようになります。
でも、お客さんの連絡先が分からなければ、いつも「待ち」の営業しかできなくなります。
ひたすら電話が鳴るのを、メールが届くのを、お店であればお客さんが来店するのを待ち続けるしかないわけです。
なので、いろんな工夫をしてお客さんの連絡先をもらえるように頭をつかいましょう。
なにかの情報を提供するためにメールアドレスをもらうのか?
資料やサンプルを送らせてもらうために住所をもらうのか?
電話の会話中にててきたお客さんの疑問点を「おしらべして折り返しご連絡いたします」とやるのか?
方法は色々とあると思います。
最近は個人情報の提供にお客さんも敏感になっているむきはありますが、お客さんが本当に知りたいことであれば、連絡先はおしえてくれるはずです。
お客さんの連絡先をもらうことに全神経を集中してもいいくらいです。
5. お客さんの行動をうながす
電話営業のコツの5つめは、「お客さんの行動を促す」ということです。
よくやってしまう最後のシメのコトバが「ぜひ、ご検討ください」で電話が終わることです。
よくよく考えてみれば「検討」というコトバには意味があるようでありません。
具体的に何をすることでしょうか?
近い言葉とすれば「考える」とか…
別の角度からみれば「もう少し悩んでください」と言っているようなものです。
お客さんの悩みを解決してあげるのが営業のお仕事であるならば、「買ってください」とお願いしたほうがよっぽどマシです。
なのでお客さんに具体的な行動をおこしてもらうことを目標にしましょう。
「今週末の土曜日の午後15時にご来店ください!」とか、
「ホームページに申し込みフォームがあるのでメルマガ登録してください」とか、
「資料と一緒にお見積書をお送りしますので、○月○日までにお返事ください」など、お客さんにして欲しい行動を具体的に言います。
言い方をかえると、お客さんに指示を出すようなイメージです。
いずれにしても“Think”(考えろ)ではなく”Move”(動け)です。
まとめ
電話営業のコツは、何度もいうように目的意識をしっかりと持つことです。
①共感を築く
②あなたの商品・サービスのプロとしてのアドバイスに集中する
③お客さんの本音を出させる
④お客さんの連絡先をもらう
⑤お客さんの行動をうながす
どこを落とし所にするのか?
この意識をしっかりと持って電話の会話に集中してください。
もちろん理想は電話中の「即決」です。
タイミングを間違うと、お客さんは二度と来てくれなくなるかもしれませんが、商談が煮詰まってくるようであれば、あなたが「投げ」を打つべきです。
「それではご注文でよろしいですね? ありがとうございます!」
これで決まりです。
メールと違って、電話営業はお客さんの感情がリアルタイムで揺れ動いています。
デイトレーダーのように、感情がスッと上がったタイミングを逃さないことです。
電話ならではの営業のコツをつかめば、成約率もガツンとあがるはずです。
ぜひ、意識して実践してみてくださいね。