
1番人気のなかった「マーケティング」課
今から20年以上も前のお話しです。
私は、南イリノイ州立大学カーボンデール校というアメリカの片田舎の大学でビジネスを学んでいました。(嘘じゃないですよ!)
ちょうど日本のバブル景気が頂点に達し、それがはじけた頃です。
ビジネス学部にもいろいろ専攻がありました。
Mnagement(経営)、Accounting(会計)、Economics(経済)、Finance(財務)、そしてMarketing(マーケティング)が選べました。
バブル経済が崩壊した直後とはいえ、まだ日本が今よりもぜんぜん元気な時代でした。
むこうの教科書にも、ひんぱんに日本企業のビジネスメソッドが紹介されていました。
トヨタの「Kanban」方式なんて、もうなんど目にしたことか。
そんな当時の日本経済を象徴するように、多くの日本人留学生は起業家をめざしてかManagement(経営)に1番人気がありました。(ちなみに私はEcocomics専攻)
ほんと、Marketing(マーケティング)なんて、誰1人専攻する人はいませんでした。
「なに?それ?」みたいな感じで…
マーケティングの意味がさっぱり分かっていませんでした。
具体的な仕事や就職に結びつくイメージもまるっきりなかったんですね。
そもそもマーケティングの意味とは?
それが、今やモノが売れない時代。
「いいもの」という理由だけでは、なかなか買ってくれません。
だから買ってもらうためのアイデアや活動が必須になってきました。
そこで「マーケティング」が重要だ!となるわけです。
今「マーケティング」の重要性があちらこちらで叫ばれていますね。
でも、そもそもマーケティングって何なんでしょう?
マーケティングの意味とは?
いろんな人がいろんなことを言っていますよね。
Facebookマーケティングだとか、スマホマーケティング、YouTube(動画)マーケティングなどなど…
◯◯マーケティングと名のつくものはいっぱいあります。
新しいものが出てくるたびに、そんな名前のマーケティングがどんどん出てきます。
まさに◯◯マーケティングの戦国時代です。
でも、ほとんどの場合、Facebookも、スマホも、YouTubeもすべてあなたのメッセージを相手に届けるための手段、つまり「媒体」です。
だからFacebookやスマホやYouTubeそのものがマーケティングではないのです。
本当のマーケティングの意味を、本質を理解していないと新しい◯◯マーケティングが出てくるたびに翻弄されることになります。
そうならないためにマーケティングの意味を理解することは重要です。
身近な例で本当のマーケティングの意味を説明してみましょう。
気になるあの人を振りむかす…
例えば、あなたが誰かにラブレター(表現古い!?)を出すとします。
想いを書きつづって、手紙をポストに投函します。
郵便屋さんが手紙を受け取り、それを宛名の相手にとどけます。
もしかるすと、何日かしてお相手からお返しの手紙があなたにとどくかもしれません。
(この数日待つ「間」が良かったんですけどね… 今や返事はアっちゅう間です…)
この場合、
手紙は「メッセージ」、
郵便は「媒体/メディア」、
手紙を送ったお相手がお客さん、つまり「市場」です。
そして、
あなたのメッセージが届き、お相手がしだいにあなたのことを好きになると、お相手の方からあなたのことを求めてくるようになります。
あなたの言うことを、喜んで受け入れてくれるようになるかもしれません。
こうなるとあなたは、もう、待っているだけでいいのです。
(もちろんケアをしてあげなければ恋はすぐに冷めてしまいますが… この話は、また別の機会にお話ししますね。)
つまり本当のマーケティングの意味とは、このような「相手から求められる仕組み」を作ることです。
世にたくさんある◯◯マーケティングとは、メッセージを相手に送る手段である「媒体」をあれこれ言い方を変えているだけです。
ドラッカーが定義する「マーケティングの意味」
ここでは、数年前に「もしドラ」(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの
『マネジメント』を読んだら)の原作者で一躍有名になったピーター・ドラッカーさんのコトバを借りてみましょう。
ドラッカーさん曰く、
「マーケティングのねらいとは、お客さんをよく知って理解し、製品/サービスがお客さんにぴったりと合って、ひとりでに売れてしまうようにすること」
もし、あなたの扱っている商品やサービスがひとりでに売れるようになってくれたら素晴らしですよね!
でも、お客さんがほんとうにあなたのファンになると、あなたが売り込まなくても、「何か売ってよ!」なんて冗談のようなことが本当に起きはじめます。
マーケティングの効果が、あなたの思い通りになる確率が高まってくると、ビジネスが俄然面白くなってきます。
今すぐ、本当のマーケティングの意味を理解して、「ひとりでに売れてしまう仕組み作り」のための行動を起こしていきましょう。
そう、今この瞬間にはじめましょう!